生薬

天然に存在する植物・動物・鉱物などを由来とした薬効を期待して使用されるものです。
わかりやすく漢方薬の原料として使用されるものも勿論ありますが、他にも薬用茶や薬湯といった普段何気なく利用しているものにも生薬が含まれています。
冬至のゆず湯、香ばしいハトムギ茶などは多くの人になじみ深いものではないでしょうか。
はるか昔から人類が積み上げた知恵は、現代に活きているのです。

薬用茶

生薬にそのまま熱湯を注ぐ、もしくは煮だすなどすれば薬用茶となります。
しかし、ここで一手間「焙じて」みてください。
やり方は簡単です。フライパンにアルミホイルを載せてその上に生薬を入れます。あとは弱火で香ばしい匂いがでるまで、箸でかき混ぜながら焙じるだけです。
出来上がった焙じ生薬に熱湯を注げば、より深い味わいを楽しめるでしょう。
なお、保管はお茶の缶などの湿気を防げるものをお勧めします。

薬用茶によくつかわれる生薬

柿葉、蒲公英根(タンポポの根)、ハブ茶、枇杷葉など

薬酒

自宅で薬用酒をつける方法としては、果実酒を漬け込む用の広口瓶とホワイトリカー、焼酎などをよく使います。
ホワイトリカーに比べ日本酒ですと腐敗することもあります。
薬用酒には氷砂糖など甘味料を加えますが、これは酒の味をつけるとともに、コクをよくし、発酵と熟成も助け、悪酔いを防ぐ意味もあります。
半年、一年経っても腐敗することはまれですが、梅雨時期にはよりご注意ください。

薬用酒によく使われる生薬

イズイ、淫羊かく、黄精など

薬膳

生薬を材料に組み込んだ料理を薬膳料理と言っています。
ポイントとしては生薬は独特の味と匂いがあるので、これをどのように料理して美味しく仕上げるかといったところです。
工夫次第で誰でも気軽に取り入れることができます。

薬膳によく使われる生薬

枸杞子、蓮肉、蓮子など

薬湯

季節や体調に合わせて健康に役立つ薬湯をお楽しみください。
生薬(薬湯料)を入れる袋はガーゼ又は紙袋を利用すればよいでしょう。
生薬は風呂に入れて沸かすだけで薬湯になります。
材料によっては沸かしてからいれる、もしくはあらかじめ煮出して煮汁とともに用いるなどお勧めの方法がございます。

薬湯によく使われる生薬

菖蒲、桃の葉、柚子など